TOPページ

高校の必修科目(2022年度〜)

2022年度入学者から適用される新指導要綱は2021年度入学者のものとは異なりますので勘違いされないようご注意ください。
必修科目35単位。最低卒業単位74以上を修了しなければ高校卒業資格は得られない。
大学であれば、たとえ私立大学であっても必修科目というものは昔から学生大学双方から重要視されていたものですが、 高校では正真正銘の公的機関である公立高校でさえザルに扱われていた過去がありました。 2006年に必修科目である世界史の履修漏れが発覚し、日本全国で大問題となったのです。
そういった過去があるので、表面上のあからさまな履修漏れはなくなったわけですが、 今でも怪しい高校はいくつか存在します。高校の留年中退問題が発生するのは大部分は2年生進級時です。 これは1年次の履修科目のほとんどが必修科目であることに起因しています。逆に言えば必修科目でない科目は 一つや二つ赤点を取って単位を落としたとしても、なんら問題なく高校を卒業できるのです。
高校1年生のカリキュラム

 
T
T
T T
T A
T
  

「情報T」と「数A」

ほとんどの高校で、英語と数学が5単位と国語社会理科保健体育が各4単位。 残りの4単位は必修科目である芸術と家庭科で埋めてしまうため、もう一つの必修教科である情報が1年次に履修できない事態が生じます。 そのため何とかして2単位を確保しようと、社会や理科の単位を減らす進学校もあるわけなんですが、 そういった学校は必修科目漏れ上等の考えを持つ危険な高校と判断して構いません。 リスクを冒さず、社会と理科の各2単位2科目は1年次に履修することが望ましいのです。
現代文が無くなり、国語総合は現代の国語と言語文化に二分割されています。近代史の導入とは異なり文部科学省の自己満改革だけのため 実態は何も変わらないでしょうから、現場では余計な負担が増えるだけで偉い迷惑な話でしょう。1年次に現代の国語、2年次に言語文化といった形だけの履修も増えそうです。 論理・表現Tと数学Aの各2単位は必修科目ではないため、必ずしも履修させなければならないわけではありません。 理科の基礎教科2科目は1年次に何を履修させるのか、芸術は科目を選択できるのか、希望すれば2年3年と続けられるのか ここいら辺がカリキュラムによる高校選びの参考基準になるかと思います。

1年次の理科基礎科目のパターン

×化学と物理→理系選択後に生物受験を選ばなかった場合に履修漏れが発生する。
×化学と生物→理系選択後に物理受験を選ばなかった場合に履修漏れが発生する。
〇物理と生物→化学は受験に使わなくても2年次に強制になることが多いので履修漏れは発生しない。
〇化学と地学→地学を1年次に設定させておけば履修漏れは発生しない。
※化学を履修させなければ問題ありません。化学を履修させる場合は地学と組み合わせるしかありません。

注意点としましては、1年次の理科基礎科目の設定次第で、理科科目の※履修漏れが発生する可能性が高くなってしまうことです。 これは科学と人間生活を履修させておくことで解決する問題なのですが、 進学校だとほとんどの高校で地学以外の理科基礎科目を1年次に履修させるため、 理系の王道選択の生徒が基礎3科目を履修することが難しくなる状態が出来上がってしまうのです。

高校2年生のカリキュラム
B B
U U
U U
    
A
U U U
T T U

多くの高校で文系か理系どちらに進むか選択することになります。

文系では日本史か世界史の選択。理系では物理か生物の選択が迫られます。1年次に情報Tの履修が未達成である場合には履修が必要となります。 たとえ1年次に数Aとの選択制を実施していたとしても、理系生徒であれば数学を優先したでしょうから、必然的に必修科目である情報科目の消化が2年次または3年次に必要となるわけです。 また現実的には、数Aを2年次に履修させる高校はほとんどないので、文系であっても数U4単位を強制履修させる高校が多いようです。
この例示ですと選択枠が文系で3単位確保されるわけですが、実際には2年次に選択枠を用意してくれる普通科の高校は少ないと思います。
高校3年生のカリキュラム
V V
V V
V V

科目選択の自由が大幅に広がります。選択肢が多いほどより良い高校と判断できるでしょう。

特に体育の追加選択が出来るかが注目に値します。体育の必要最低単位は3年間の合計で7単位となるため、平均的に取得させると3年次には2単位となることでしょう。 そこを最低週1で設定し、体育の授業が気分転換になる生徒には選択で追加履修させるのです。この選択追加制の利点は非常に大きいのですが、 体育を1単位で設定している高校はかなり希少かと思います。女子生徒の成長過程に合わせた場合でも3年次に1単位というのは合理的なんですけどね
基本的には私立大学文系と理系、国立大学文系と理系の4タイプに分かれますが、選択科目を数多く用意することで対応するところがほとんどだと思います。 国立大学理系は3年生になっても枠全部を使い切るほど厳しいカリキュラムとなります。それに比べれば理科大専願であればかなり余裕が生じることでしょう。 必修科目である公共を1年次に履修していない場合は3年次に枠を圧迫してしまうことになりますが、 国立大学理系の受験を最初から諦め、学年理系1位が理科大となるような高校であれば、公共が3年次履修でも問題はありません。
最低限必要な履修科目一覧(選択必修科目)
  • 現代の国語2単位と言語文化2単位合計4単位
  • 数学T2単位
  • 英語コミュニケーションT2単位
  • 体育7単位
  • 保健2単位
  • 歴史総合2単位
  • 地理総合2単位
  • 公共2単位
  • 情報T2単位
  • 芸術科目のT2単位
  • 家庭基礎2単位または家庭総合4単位の履修
  • 科学と人間生活2単位と理科基礎1科目2単位または理科基礎3科目の履修
  • 総合的な探究の時間2単位

  • 進学実績とカリキュラム以外で高校選びに役立つ情報として年間予定表が挙げられます。 夏休みの期間を調べるために複数校調査をしているのですが、7月の上旬から9月下旬までの行事予定を知ることで その高校の特徴を掴むことが出来るのです。志望する高校を詳しく知る手助けになると思うのですが、公表していない高校も多いのが残念です。
     
    全国3455公立高校 ランク決定方法指針 公立高校1000校→ 九州沖縄 中国四国 関西 東海山梨 首都圏 北陸信越北関東 東北北海道
    2012年旧指導要綱の必修科目 47都道府県別私立高校生の比率 首都圏の商業高校と商業科 芸術デザイン系高校一覧 損な普通科公立高校 普通科Fラン高校一覧
    - 2021年4月8日新設 - 2023年10月13日本文以外微修正更新 - TOPページ -